なぜ細かい人は英語が話せないのか?|日本人の英会話上達を阻む「こだわり思考」
英語を教えていてよく出会うのが、「細かい表現にこだわりすぎて、英語が話せなくなってしまっている人」です。
英語が苦手な日本人の多くに共通しているのが、「間違えたくない」「正しい英語を使いたい」「細かいニュアンスまで完璧に伝えたい」という思いです。しかし、その思いが強すぎると、かえって英会話の妨げになります。
先日、生徒さんに英語を教えているとき、ふとあることに気づきました。
それは、「細かく考えるクセ」がある人ほど、英語が口から出てこないということ。
実は私自身も、昔はそうでした。
「ちらっと見る」は英語で何と言う?
私がカナダに住んでいたときのことです。
ある日、「ショッピングモールをちらっと見た」という何気ないことを英語で言おうとしました。
「ちらっと見るって英語でなんて言うんだろう?」と辞書を引いたところ、「take a glance」と書いてありました。
それなら「I took a glance at a shopping mall.」でいいかな、と思ってホストファーザーに言ってみたら、「そんな言い方はしないよ」と言われてしまったのです。
代わりに「I saw the mall」とか「I just watched it」ぐらいで十分だ、と教えてもらいました。
私は驚きました。「え?でも辞書に書いてあるじゃん!」と。
細かく言いすぎると英語は伝わらない?
日本語でなら、
「公園に向かう途中で、車の後部座席に座っていて、窓からチラッとショッピングモールを見た」
なんて、細かく正確に描写することが可能ですし、そういった細やかな描写を好む文化もあります。
しかし、英会話ではそんなに細かく言おうとする必要はありません。
むしろ、「そんな細かい情報、相手は本当に欲しいの?」という視点が大事です。
実際の会話では、「I saw the mall」だけで十分通じますし、それ以上の細かい情報は求められていない場合がほとんどです。
英語が話せない理由の一つは「情報過多思考」
英語が話せない日本人の多くが、「細かく伝えようとしすぎて話せない」という落とし穴にはまっています。
・正しい英文を言おうとしすぎて口が止まる
・ちょっと違った表現に過敏に反応する
・微妙なニュアンスの違いにこだわる
このような「情報過多思考」は、英会話には向いていません。
言語というのは、相手に「伝える」ためのツールであって、「正確に描写するための道具」ではありません。
特に英会話では、スピードとシンプルさが大事。多少の間違いや省略があっても、通じればOKなのです。
なぜ細かい人ほど英語が苦手なのか?
これは、言語に対する「捉え方」が根本的にズレているからです。
英語は「完璧な表現をするためのもの」ではなく、「コミュニケーションのためのツール」です。
「正確な表現をしないといけない」と思ってしまうと、どうしても話すことが怖くなり、間違いを恐れて何も言えなくなってしまいます。
その結果、英語が苦手になり、話せないままになってしまうのです。
英会話を上達させるコツは「雑でいい」くらいの感覚
英語学習者の方には、ぜひ次のように考えていただきたいです。
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「伝わればOK」
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「7割通じれば大成功」
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「間違えてもいいから話す」
もちろん文法や単語を覚えることも大事ですが、会話では「正確さ」よりも「瞬発力」と「シンプルさ」が武器になります。
たとえば、先ほどの「ちらっと見た」も、「I saw it」でOKです。
辞書に書いてあるかどうかよりも、ネイティブが実際に使っている表現を体感しながら覚えていくことが、リアルな英会話の力につながります。
まとめ|英語が話せるようになるには「完璧主義」を捨てること
英会話ができない日本人が多い理由の一つに、「正しさ」にこだわりすぎる性格傾向があります。
特に細かく物事を見てしまう人は、英語でも細かく正確に伝えようとしすぎて、かえって会話ができなくなってしまうのです。
英語は「雑に伝える」くらいでちょうどいい。
コミュニケーションの目的は「完璧な文章を話すこと」ではなく、「相手に伝わること」です。
このマインドを持つことで、英会話のハードルはぐっと下がり、話せるようになるスピードも速くなります。
英語が苦手だと感じている方は、まずは「こだわりすぎない」ことから始めてみてください
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